企業の顔!コーポレートサイトの目的・役割・構成解説
更新:2023年05⽉19⽇(⾦)| 公開:2023年05⽉19⽇(⾦)| コーポレートサイト
作成者:磯野華菜子(ソリューションエグゼクティブ)
今回は、企業の顔とも⾔えるコーポレートサイトについて詳しく解説します。コーポレートサイトの定義から構築のポイント、役割まで幅広くまとめているので、これからコーポレートサイトを作成する⽅や現在、運営を担当されている⽅にも役⽴つ情報が盛りだくさんです。ぜひ最後までお読みいただき、効果的なコーポレートサイト構築・運⽤の参考にしてください。
目次
コーポレートサイトの定義と基礎知識
企業のウェブサイトと⾔っても、さまざまな役割や機能を持ったウェブサイトが存在します。まずは企業のウェブサイトの種類について知っておきましょう。
■コーポレートサイト
企業の顔となるウェブサイトで、企業の基本情報やビジョン、経営理念、事業内容、取り組み、ニュースリリースなどを掲載。ステークホルダーに対して、信頼性や透明性を⾼める役割があります。
■採⽤サイト
企業の求⼈情報や働く環境、福利厚⽣、社員の声などを紹介し、求職者に魅⼒的な企業であることをアピールします。採⽤活動を⽀援する役割があり、⼈材獲得のための情報発信をすることが⽬的です。
■サービスサイト/ビジネスサイト
企業が提供するサービスや製品を紹介し、顧客に対して価値を伝える役割があります。サービス内容や機能、価格、利⽤⽅法などをわかりやすく説明し、顧客の購買意欲を⾼めることが⽬的です。
■ECサイト
製品やサービスの販売を⾏うオンラインショップです。商品情報や価格、在庫状況、配送⽅法などを掲載し、購⼊者に安⼼感を与えることが重要です。売上増加や顧客満⾜度向上の役割があります。
■オウンドメディア
企業が独⾃に運営するメディアで、専⾨知識や業界のトレンド、役⽴つ情報などを発信します。顧客とのコミュニケーションを促し、ブランドの価値向上やリーチ拡⼤の役割があります。
■IRサイト
株主や投資家に向けた情報を発信するサイトで、財務情報、経営⽅針、株主総会情報などを掲載します。投資家に対して企業価値を伝える役割があり、企業の資⾦調達や株価安定に寄与します。
■CSRサイト
企業の社会貢献活動や環境保護活動、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組みやその活動成果を発信するサイトです。ステークホルダーに対し、企業の責任や持続可能性に対する取り組みを伝える役割があります。これにより、企業のイメージ向上や信頼性の強化が図られます。
■ブランドサイト
企業のブランドや製品ラインナップを紹介するサイトで、ブランドイメージの向上や顧客の理解促進を⽬的としています。ブランドストーリーや製品の特徴、背景などを通じて、顧客の共感や信頼を獲得する役割があります。
■キャンペーンサイト
期間限定のプロモーションやキャンペーンを展開するサイトです。特定の製品やサービスの認知度向上や、顧客獲得を⽬的としています。短期的な成果を求めるため、訴求⼒のあるデザインや情報発信が重要となります。
コーポレートサイトが持つ⽬的・役割
企業の認知度向上:インターネットが普及した現代では、まず企業のことを知りたいと思った⼈の多くは、まず企業のコーポレートサイトを参照することと思います。そのため、コーポレートサイトを通じて企業の存在感を⽰し、認知度を向上させることが重要です。
ブランディングの強化:コーポレートサイトは、企業のブランドイメージを形成し、向上させるために重要な役割を果たします。企業のビジョン、ミッション、価値観、製品・サービス情報などが明確に伝わるように設計されていることで、顧客やパートナーに信頼感を与え、企業価値を⾼めることができます。
事業売上への貢献:コーポレートサイトには製品・サービス情報や事例紹介などが掲載され、購買意欲を喚起する役割があります。また、コンタクトフォームやチャット機能などを通じて、顧客との直接的なコミュニケーションが可能となり、商談機会を増やすことができます。
ステークホルダーとのコミュニケーション:コーポレートサイトは、企業と様々なステークホルダー(顧客、従業員、取引先、投資家、地域社会など)とのコミュニケーションの場となります。CSRやESG活動など、企業が取り組む社会貢献活動や経営⽅針などを発信することで、企業の評価や信頼を⾼めることができます。
採用活動の支援:企業の採用情報や働き方、社風などを紹介することで、求職者に対して魅力的な企業像をアピールし、優秀な人材の獲得につなげることができます。
ステークホルダーの誘導:コーポレートサイトの訪問者は必ずしも企業情報を⾒たかったとは限りません。⼊り⼝がコーポレートサイトであっただけで実際は、製品情報やグループ会社の情報を知りたいなどのケースもあるので、サイト訪問者が求める情報やサイトへ誘導することも重要な役割となります。
コーポレートサイトとビジネスサイトの⽐較
コーポレートサイトは、企業全体の情報を伝えるのに対して、ビジネスサイトは特定の商品やサービスに特化した情報を提供し、具体的な取引や成約につながることを⽬的としています。
ビジネスサイトが持つ主な役割:- 製品・サービス情報の提供
- 認知度向上・ブランディング
- 顧客獲得・リードジェネレーション
- 顧客サポート・アフターサービス
- ユーザーエンゲージメントの促進
コーポレートサイトのステークホルダー
コーポレートサイトのステークホルダーとは、企業の活動に関⼼を持ち、影響を受けるまたは与えるさまざまな利害関係者のことを指します。コーポレートサイトは、これらのステークホルダーに対して企業の情報を発信し、コミュニケーションを図ります。主なステークホルダーは以下のようになります。
- 顧客:
企業の製品やサービスを購⼊・利⽤する⼈々で、企業にとって収益の源です。顧客に対しては、企業の価値や製品・サービス情報を伝えることが重要になります。 - 株主・投資家:
企業に資⾦を提供し、運営に関⼼を持つ⼈々です。株主・投資家に対しては、企業の財務状況や事業戦略、将来性などを伝えることが重要になります。 - 取引先・パートナー企業:
企業と協⼒関係にある他の企業で、共同でビジネスを⾏ったり、製品・サービスの提供を受けたりします。取引先やパートナー企業に対しては、企業の信頼性や協⼒体制などを伝えることが重要になります。 - 地域社会・⾃治体:
企業が事業を展開する地域社会や⾃治体とも関係があります。地域社会や⾃治体に対しては、企業の地域貢献活動や環境への取り組みなどを伝えることが重要になります。 - メディア・報道機関:
企業に関する情報を伝えるメディアや報道機関もステークホルダーの⼀つになります。メディアや報道機関に対しては、企業のニュースやプレスリリースを提供することが重要です。 - 従業員:
企業の業務を担う⼈々で、組織の⼀員として企業の成功に貢献します。従業員に対しては、経営理念や戦略、働く環境などを伝えることが重要になります。 - 求職者:
採⽤情報や企業⽂化、働く環境、企業ビジョン、成⻑戦略などを発信することで、求職者に企業の魅⼒を伝えることができます。これにより、優秀な⼈材獲得や採⽤競争⼒の強化につながります。
それぞれのステークホルダーが求める情報や関⼼事が異なるので、コーポレートサイト上で情報発信を⾏う際には、ターゲットとなるステークホルダーのニーズに応じたコンテンツや情報を適切に提供しましょう。
コーポレートサイトに必要なコンテンツとは
下記のコンテンツ⼀覧は、あくまで⼀般的なコーポレートサイトの例です。企業ごとに特⾊や強みを⽣かしたコンテンツを追加・カスタマイズすることで、効果的なコーポレートサイトを構築しましょう。
1. トップページ1.1. ニュースリリース
1.2. お知らせ
1.3. 企業イベント
1.4. 製品・サービス紹介
2. 企業情報
2.1. 企業概要
2.1.1. 社⻑挨拶
2.1.2. 企業理念
2.1.3. 会社沿⾰
2.1.4. 組織図
2.2. ビジョン・ミッション
2.3. 事業内容
2.4. グループ会社情報
2.5. アクセス・お問い合わせ
3. IR情報
3.1. IRニュース
3.2. 財務ハイライト
3.3. 決算資料
3.4. IRカレンダー
3.5. IRお問い合わせ
4. 採⽤情報
4.1. 新卒採⽤
4.2. 中途採⽤
4.3. インターンシップ
4.4. 採⽤イベント
4.5. 数字で⾒るXXX会社
5. CSR・ESG
5.1. 環境保護活動
5.2. 社会貢献活動
5.3. ガバナンス
5.4. サプライチェーン管理
6. お客様サポート
6.1. よくあるご質問
6.2. 資料ダウンロード
6.3. お問い合わせフォーム
6.4. サービスセンター情報
7. プライバシーポリシー・著作権・免責事項
コーポレートサイト構築のコツ・ポイント
効果的なコーポレートサイトを構築するためには、いくつかのポイントを押さえることが必要です。
ユーザー⽬線でのコンテンツの選定
効果的なコーポレートサイトには、企業概要や事業内容、ニュースリリース、採⽤情報など、ターゲットに合わせた情報を提供する必要があります。適切なコンテンツを選定し、情報の整理・分類を⾏いましょう。
デザインやナビゲーションの⼯夫
⾒やすく使いやすいデザインやナビゲーションは、ユーザー体験を向上させるために⽋かせません。シンプルで洗練されたデザインや、直感的に操作できるナビゲーションを実現しましょう。また、レスポンシブデザインを採⽤することで、スマホやタブレットからのアクセスにも対応できます。
強⼒なブランド・アイデンティティの統⼀
ロゴ、カラー、タイポグラフィーをウェブサイト全体に⼀貫して取り⼊れることで、まとまりのあるプロフェッショナルな外観を作り出します。
CMSによるサイト管理・運⽤
コンテンツ管理システム(CMS)を導⼊することで、効率的にサイトの更新や運⽤が可能になります。CMSを活⽤することで、制作スキルがない担当者でも⽐較的簡単にコンテンツの追加や編集が⾏えるため、運⽤コストの削減につながります。もちろん全てのCMSが容易に使えるわけではなく、⼀定の操作を覚える必要はあります。
SEO対策の重要性
検索エンジン最適化(SEO)対策を⾏うことで、検索結果での表⽰順位を上げ、より多くのユーザーに情報が届くようになります。適切なキーワードの選定やメタタグの設定、コンテンツの更新頻度など、SEO対策に取り組むことが重要です。
コニカミノルタのコーポレートサイトの運営体制
弊社のウェブサイトの運営体制
弊社は国内・海外含め100以上のサイトが存在しています。グループ全体でガバナンスの統制を図るべき領域はヘッドクォーターである本社が管理統制を図るようにしています。
なお、コーポレートサイトの運⽤は広報、IR、CSR、採⽤などのコンテンツのカテゴリによって担当者がそれぞれ異なります。
よくあるご質問
Q︓コーポレートサイトのリニューアルはどのぐらいの頻度で⾏うべきでしょうか︖
A︓コーポレートサイトのリニューアルは、⼀般的には3〜5年ごとに⾏うことが推奨されています。ただし、企業の事業戦略や業界の動向、デザインや技術の進化などに応じて、リニューアルのタイミングは柔軟に対応することが望ましいです。タイミングに出遅れると、企業として機会損失につながることもあります。また、定期的にコンテンツやデザインの改善を⾏い、ユーザーのニーズに合わせたウェブサイトにしていくことが重要です。
Q︓グローバル展開している企業で国内だけでなく、海外でも情報発信しておりグループや各国を含め、複数のウェブサイトが存在しています。しかし、古い会社情報のまま掲載しているケースもあり、企業としてのガバナンスが効いていません。どのように管理すべきでしょうか。
A︓複数のウェブサイトを効果的に管理するためには、まず企業全体で統⼀されたウェブサイトのガイドラインを策定することが重要です。これにより、ブランドの統⼀性や情報の正確性が確保されます。
また、CMS(コンテンツ管理システム)を導⼊して、各国や部⾨ごとに情報の更新や管理が容易になるようにすることも効果的です。さらに、⾃社Webサイトの全体統括を⾏う部⾨が中⼼となり、定期的な監査や報告を⾏い、ウェブサイトの運⽤状況を把握し、必要に応じて改善を⾏っていくことが求められます。
Q︓コーポレートサイトの担当者はどのようなスキルや知識を持っておくべきでしょうか。
A︓⼀概に下記のスキルや知識を全て網羅していなければいけないというわけではありませんが、持っておくことが望ましいです。
- ウェブデザインやユーザビリティの基本知識
- コンテンツマーケティングやSEO対策の理解
- HTML、CSS、JavaScriptなどの基本的なプログラミングやWebサイト制作の知識
- CMSの操作⽅法や運⽤管理ルール
- アクセシビリティやウェブ標準に関する知識
- コミュニケーション能⼒やプロジェクト管理のスキル
- 企業の業界やビジネスモデルに関する理解
- グローバル展開に対応できる語学⼒や異⽂化理解⼒
まとめ
コニカミノルタでは、⾃社グループの国内・海外のサイト運営を20年以上⼿がけています。また業種業界を問わず、さまざまな企業様のコーポレートサイトの制作・リニューアルもご⽀援の実績がございます。コーポレートサイトの制作・運⽤に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。
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失敗事例の声からつくった、サイトリニューアルの つまづき回避策 ⼤公開︕_前編
本書では、多くの関係者を巻き込む⼀⼤プロジェクトのコーポレートサイトリニューアルでの「リニューアルで頻出するつまづきポイント」と「回避する⽅法」を集めました。
記事作成者のプロフィール
磯野 華菜子/ソリューションエグゼクティブ
Web/デジタルマーケティングのSalesを担当。
大手クライアントの複数サイトリニューアルやCSR・IRサイト強化支援等、Webサイトに関わる支援を経験。
近年はマーケティングコンサル支援、展示会出展支援など包括的なマーケティング支援を担当し多角的な領域への知見を拡大。
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