企業にとってESGとは?WebサイトにおけるESG戦略を徹底解説!
公開:2021年3月19日(金)| ESG
「ESG」「ESG投資」という言葉を聞いたことはあるものの、それが一体どういったものなのか、まだ理解ができていない企業の担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
現在、投資家の間でも「ESG」への注目が集まっています。そこで、このコラムでは投資家の注目度が高い「ESG投資・戦略」と企業側で意識すべき「ESGサイト」について解説します。
ESGとは
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったもので、投資における指標として参照されています。
ESG自体は利益に直結するものではありませんが、ESGに十分に配慮して事業活動を推進している企業は、長期的・持続的に成長していくことが期待できると見なすことができるため、投資家の間で注目する傾向が広まっています。
それ故に、投資家の視点を把握しておく必要がある企業のIR担当者、広報担当者なども、このESGについて理解し、自社のWebサイトでも情報発信していくことが求められます。
ESGが注目された背景
2006年に当時の国際連合事務総長であるコフィー・アナン氏が「責任投資原則(PRI)」を発表し、その中で機関投資家が投資先を決定する際に、環境、社会、ガバナンスを考慮することを提唱しました。この責任投資原則(PRI)の署名機関が増えたことが、ESG拡大の要因の1つと言われています。
なお、この原則を推進するTHE PRIという団体では以下の6つの原則を実践に移すことを目的としています。
国連責任投資原則(PRI)
- 私たちは投資分析と意思決定のプロセスにESG課題を組み込みます。
- 私たちは活動的な所有者となり、所有方針と所有習慣にESG問題を組入れます。
- 私たちは、投資対象の企業に対してESG課題についての適切な開示を求めます。
- 私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるよう働きかけを行います。
- 私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働します。
- 私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します。
出典:PRI「責任投資原則」
この6つの原則は大手機関投資家や国際機関、専門家などの協力のもと策定され、2021年2月時点で、署名機関は50ヶ国を超え、世界では3,500機関以上、日本では90機関ほどが署名しています
コニカミノルタのESG
コニカミノルタでも、持続可能な社会の実現を目指して以下のESGを掲げています。
「環境」ではCO2排出量の減少。「社会」では労働力不足などの社会課題を解決するための事業創出。「ガバナンス」では経営執行の仕組みを構築してきたことを公表しています。
ここでのポイントはE・S・Gのそれぞれで目標を立てることです。3つの要素のうち、1つでも欠けてしまうとESGの達成ができているとは言えません。
コニカミノルタのESG戦略をさらに詳しく見たい方はこちらからご覧ください。
Webサイトでの情報開示
投資家に企業のESGの取り組みを深く理解してもらうためには、情報の開示が重要です。
例えば、機関投資家は少ない人数で限られた時間を使い、多くの企業をリサーチしなければなりません。また評価機関の多くは独自調査を基にスコアリングしており、その際にまず企業のサイトを閲覧し、補足のために情報ベンダーから情報を取得すると言われています。
そのため今後、ウェブサイトでの開示は「検索の容易さ」や「情報の分かり易さ」などが重要になると予測されています。
また、現段階では、ESGに関する企業のWebサイトの情報開示にはばらつきがあるようです。IRサイト内にESG関連のコンテンツを配置する企業もいれば、独自のESGサイトを立ち上げている企業も見受けられます。情報量のばらつきもあるため、今後もESGに関する情報開示に関して、企業の担当者は動向に注目していった方がよいでしょう。
コニカミノルタのESGコンテンツ
今回、コニカミノルタのESGコンテンツについてもご紹介したいと思います。
当社のWebサイトでは株主・投資家向け(IR)サイト内にESGコンテンツを設置しています(2020年設置)。またE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)のそれぞれのページを設け、考え方や方針などを表示しています。
ESGコンテンツの情報開示ポイント
- 見込み顧客の管理
企業のESG情報を企業サイト内からアクセスするのではなく、Google検索やYahoo! JAPANといった検索サイトから直接検索して訪問する場合も考えられます。
その際、「企業名 + ESG」といったワードで検索された時に、ESGコンテンツのトップページを検索結果の上位表示になれるようにSEOを考慮してコンテンツを作成することで、すぐにコンテンツへ誘導でき、投資家はストレスなく情報を取得することができます。 - ESGと経営戦略のつながりを示す
ただESGの情報を並べるだけではなく、ESGのトップページではESGと経営戦略とのつながりを説明することが重要です。また取り組み事例があるとイメージが湧き易くなります。 - E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)それぞれのページに考え方や方針を説明する
ESGのトップページの下層にE、S、Gのそれぞれのページを作成し、考え方や方針について説明します。図や写真などを使用すると分かりやすいです。 - ESGコンテンツのインデックスを作成し、直接アクセスできるようにする
投資家が興味のあるページに直接アクセスできるようにインデックスを作成すると、ESGとしてどのような情報が掲載されているかを網羅的に伝えられるとともにユーザビリティの向上も図れます。 - PDF形式の場合はHTML化する
PDF形式での情報掲載は、検索に引っ掛かりにくい場合があるため、HTML化することで検索に引っ掛かり易くします。 - ESGコンテンツを認識してもらう
IRサイト内にESGコンテンツがあるということをユーザーに分かりやすく伝えることも重要です。一目でわかるようにする方法としてバナーの設置があります。また関連するコンテンツからESGコンテンツへリンクをするといった方法もあります。
コニカミノルタのESGサイト外部評価
コニカミノルタは今年から新設された、モーニングスター株式会社が評価する「Gomez ESGサイトランキング2020」で総合順位は第9位、最優秀企業の評価を頂きました。
また、世界的に権威のあるESG指数の一つDow Jones Sustainability World Index (DJSI World)に9年連続採用。さらにDow Jones Sustainability Asia Pacific Index (DJSI Asia Pacific)には、12年連続採用されました。
ちなみにコニカミノルタはモーニングスター株式会社が評価する「Gomez IRサイトランキング」で2018年、2019年、2020年と3年連続で第1位の評価を頂いています。
まとめ
ESGの重要性とウェブサイトを使用したESG情報の開示方法についてご紹介いたしました。
ESGのサイトの立ち上げや、現在運用されているWebサイトの見直しをご検討中の企業担当者の方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にコニカミノルタにお問い合わせください。
また現在、コニカミノルタではESGサイトやコーポレートサイトのリニューアルに関するセミナー動画を配信しています。こちらもぜひお時間がある時にご覧ください。
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