リードクオリフィケーションとは?
見込み顧客を商談につなげる施策と注意点を解説
更新:2022年04月04日(月)| 公開:2022年04月04日(月)| マーケティング
少子高齢化の影響もあり、多くの業種では人材不足が慢性化しています。そのなかで企業が継続的に利益を上げていくために、いかに業務を効率化できるかが重要なポイントです。マーケティングでも同様に、購入確率の高い顧客を抽出し、効率よく営業につなげていく動きが増えています。今回はリードクオリフィケーションについて、その重要性や具体的な施策、実行時の注意点をお伝えします。
目次
リードクオリフィケーションとは?
リードクオリフィケーションとは、購入や契約へつながる可能性の高い顧客を抽出するための活動です。
具体的には、後述するリードナーチャリングでの施策(メールマガジン配信、ホワイトペーパーの提供、セミナーの開催など)一つひとつに対する顧客の行動に得点をつけ(スコアリング)、合計得点の高い顧客を抽出するものです。そして、その顧客に対して集中してアプローチを行っていきます。
一般的にBtoBはBtoCに比べ購入までにかかる期間が長いうえ、購入決定までに多くの人の承認が必要になります。そこで、マーケティング施策も、製品の認知から見込み顧客へと引き上げるための「リードジェネレーション」から、見込み顧客との関係性を深化させる「リードナーチャリング」へと段階を踏むというように、時間をかけて進めていきます。リードクオリフィケーションは、これら2つの施策に次いで商談へとつなげる段階の施策です。
リードクオリフィケーションが重要な理由
本来、見込み顧客との関係性を深化させていけば、そのすべての顧客が商談へとつながるのではと思われるのではないでしょうか。しかし、実際には必ずしもそうなるとは限りません。だからこそ、見込み顧客から商談へつながる可能性の高い顧客の抽出が重要視されているのです。詳しくは、以下に解説していきます。
1.商談成立の確度向上・営業効率の向上
リードナーチャリングによって顧客との関係性が構築されたとしても、BtoBの場合、そのすべての顧客がすぐに製品を購入するとは限りません。そのため、製品を購入する可能性のある顧客を抽出し、優先順位をつけたうえで対応することで商談成立の確度向上を目指します。
また、多くの業種で人材不足が慢性化している現在、少ない人数で従来と同様の利益を上げるためには、営業業務の効率化が必須です。そうした意味でもより商談へつなげられる顧客に優先して施策を実行するために、リードクオリフィケーションが欠かせなくなっているのです。
2.リードナーチャリングの改善が可能になる
リードクオリフィケーションで見込み顧客の抽出をしても、なかなか商談へつなげられないケースもあります。その原因として、リードクオリフィケーションでの配点が間違っている可能性がありますが、そもそもリードナーチャリングでの施策が間違っている可能性も十分に考えられます。リードナーチャリングは方法にもよりますが、比較的長い時間をかけて行う場合が多く、その施策が間違っているとなれば、かえって営業効率は下がってしまうでしょう。
そのため、リードクオリフィケーションの成功確率を計測することによってリードナーチャリングの改善が可能となり、高い効果のある施策に絞っての実施が可能となります。
具体的なリードクオリフィケーションの手順
リードクオリフィケーションの成功確率を高めるためには、手順を踏んで行っていく必要があります。ここでは、その手順について見ていきましょう。
1.カスタマージャーニーマップの作成
顧客の購買行動プロセスを、「認知」「興味関心」「比較検討」などの段階に分け、それぞれでの顧客の課題やニーズを明確化したカスタマージャーニーマップの作成を行います。
2.商談へとつながるシナリオ設計
作成したカスタマージャーニーマップをもとに、リードクオリフィケーションのシナリオを設計します。例えば、「自社のWebサイトに1回訪問するごとに2点」「メールマガジンの登録をしたら10点」「セミナーに参加したら15点」など、商談へつなげられる可能性の高い行動に対して高い点数を割り振ります。そのほかにも、さまざまな観点からスコアリングを行っていくと、さらに商談に持ち込める精度が高まるでしょう。
3.シナリオに沿ったリードクオリフィケーションのスコアリング
一定期間、見込み顧客のリードナーチャリングを実施したあとに、設計したシナリオに沿ってスコアリングを実施します。
4.スコアリングの高い顧客を抽出後、営業部への引き渡し
スコアの高い顧客を抽出し、リスト化して営業部に引き渡します。
リードクオリフィケーションを実施する際の注意点
リードクオリフィケーションの成功確率を高めるためには、手順に沿って行うだけではなく、いくつかの点に注意する必要もあります。具体的には次のとおりです。
オンラインだけではなくオフラインでの施策もあわせてスコアリングを行う
リードクオリフィケーションでは、メールでの問い合わせ数や自社Webサイトへの訪問回数などオンライン施策のスコアリングが重要ですが、オフライン施策に対するアクションも含める必要があります。セミナーへの参加、展示会での名刺交換などもあわせてスコアリングしましょう。
MAツールのスコアリング機能を活用して効率化を進める
多くのマーケティングオートメーション(MA)ツールには、リードナーチャリングのスコアリング機能が装備されています。マーケティング部門がない、人が少ないといった企業の場合には、こうした機能を活用した効率化も重要です。
商談見込み金額をKGIとし、数字を明確にする
リードクオリフィケーションの成功確度を上げるためには、KGIの設計も欠かせません。企業全体としてのKGIは、製品単価と有効商談数を掛けた商談見込み金額です。そして、マーケティング部門はアポイントメント数に有効商談化率を掛け合わせた「有効商談数」をメインで追います。なぜならば、有効商談数は自分たちでコントロールできる数字だからです。その一方で、商談見込み金額にも気を配り、目標金額に追いつかない場合には、リードナーチャリングやリードクオリフィケーションの見直し・修正をしていきます。
営業部門との連携を欠かさない
BtoBマーケティングでは、マーケティング部門と営業部門が常に連携をしたうえで進めていかないと成功確率を上げることは困難です。一般的には、マーケティング部門が商談化する可能性の高い顧客データを営業部門に引き渡しますが、その時点でできるだけ情報共有を行っておくと、より効率的に目標を達成することができるでしょう。
また、営業部門からマーケティング部門への情報提供も成功確率を高めるうえで重要なポイントです。既存顧客との関係性や担当者情報などを共有していれば、スコアリングの精度も高まるでしょう。
効率的なマーケティングで商談へとつなぐにはリードクオリフィケーションの実施が重要
限られた人員で高い成果を上げるためには、すべての業務において効率化を進めることが重要です。BtoBマーケティングにおいても、いかに見込み顧客を商談まで効率的につなげられるかで得られる成果が変わってきます。そうした意味で購入確率の高い見込み顧客を抽出するリードクオリフィケーションは重要な役割のひとつといえるでしょう。
リードクオリフィケーションを成功させるためには、ターゲットを明確にしたうえで、どのような場合に直接営業がフォローするかを決めていくことが求められます。そのためには、カスタマージャーニーマップの作成や見込み顧客の獲得から、抽出へつなげるためのシナリオ設計をしっかりと行うことがポイントとなります。
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