Webサイトのリニューアル前の基本的な流れと準備
更新:2021年1月29日(金)| 公開:2020年07月22日(水)| Webサイト制作
Webサイトのリニューアルを検討をする上で、「何をすればよいか分からない」「どうすれば失敗しないのか」「注意点は何か」など心配事は絶えません。特に、前回のWebサイトリニューアルから担当が変わって行われることが多々あり、サイト担当者からすると、不安や心配が次々浮かんでくるため、色々な情報が欲しくなると思います。
本コラムでは、Webサイトのリニューアルを検討する際の流れと、その工程の中で気を付けるべきポイントをご紹介していきます。
Webサイトリニューアルの検討のきっかけは、「前回のリニューアルの時とサイトの役割や目標が変わった」「サイトのデザインが古く、ターゲットユーザーに対し見栄えの印象があまり良くない」「競合他社がリニューアルを行い、コンテンツや機能の充実化を図り、差をつけられている」「現在のWebサイトは情報が探しにくく、使い勝手が悪い」など、さまざまあります。
このような抱えるサイトが抱える課題を改善し、成果を出すためには、Webサイトリニューアルのプロジェクトを円滑に進める必要があり、その事前準備をしっかりと行うことが重要となります。
リニューアルの検討開始から実際にWebサイトが公開されるまでの流れは以下の通りになります。
今回、工程の中で、準備段階にあたる1~2についてどのようなことを行うか、どのようなことを抑えるべきかを解説いたします。
- リニューアルの要件整理
- 提案依頼書(RFP)作成
- 制作会社選定
- 要件定義
- 情報設計
- デザイン制作
- コーディング・システム実装
1.リニューアルの要件整理
Webサイトリニューアルを行う際に最初の工程になりますが、最も重要な工程となります。
本工程では、「現状把握と課題の洗い出し」「リニューアルのゴール及び目標設定」を行います。
現状把握と課題の洗い出し
現状把握として多くの人が行うのが、Webサイトに関わる関係者が感じている課題をリストアップする作業です。まずはWebサイトに関わる運営担当者やマーケティング担当、営業など関係者にヒアリングを行い、現状を把握することが最も重要になります。
その他にも、Webサイトのアクセス解析ツールを用いて数値による課題の挙げ出しを行うアクセス解析。デザインや使い勝手をサイト分析の専門家が相対的に評価を行うヒューリスティック分析。様々な方法でWebサイトの課題を出すことで関係者の課題感の裏付けや見えていなかった課題を発見することが可能になります。
Webサイトリニューアルのゴール及び目標設定
リニューアルでよくあるゴールは「古かったデザインが刷新される」などがあるのですが、その場合、あとから追加の課題や要望が挙がり、課題や要望が多すぎて収拾がつかなくなる、優先順位が決められないなどの状況になりがちです。これはゴールが曖昧であることが原因となります。
コニカミノルタで考える目的は「どんなユーザー」に「何を伝える」ことで、「どのような行動」をとってもらいたいかを明確にすることとしています。
これらを明確に決めることで、例えば「新規ユーザーに商品情報を伝え、問い合わせしてもらう」にはどのようなコンテンツが必要か、デザインをどのようにした方が良いかを、関係者で協議しやすくなります。
また、ユーザーは数多くある情報から選択してWebサイトに訪問するため、自分の興味のあることしか振り向いてくれないということが大前提になります。そのため、ユーザーが欲しい情報は何かを考えることも重要になります。Webサイトへ来訪したユーザーに価値を感じてもらったり、共感を得られるようなコンテンツ作りが必要です。
2.提案依頼書(RFP)作成
RFPとは提案依頼書のことで、「委託側(企業)が受託側(制作会社)に提案してほしい依頼事項・要望をまとめた資料」になります。そのため、上記で確認した現状と課題、リニューアルのゴールなどを記載する必要があり、一般的には以下の項目が必要となります。
- Webサイトリニューアルの目的・ゴール
- 取り組みの背景(現状と課題)
- リニューアル予算
- スケジュール
- 対象範囲/要求資料
しかし、この項目を埋めるだけでは不十分になります。
提案依頼書(RFP)を作成する際は3つのポイントがあり、「社内関係者の協力と同意を得る」「ベンダーに対する要求を明確にする」「ベンダーの評価軸を明確にする、書く」が重要となります
この3つのポイントを行うことでその後の実際のリニューアルプロジェクトを円滑に進めることが可能となります。
社内関係者の協力と同意を得る
企業のWebサイト制作を行う場合、サイトオーナーの部門が旗振りをされるケースが多いのですが、通常のWeb更新を担当されている担当者も、自社のWebサイトに関する細かい技術要件(インフラやシステム仕様)の把握はなかなか難しく、それらの情報を文章化することは難しいと思います。
そのため、サイトオーナー部門だけで何とかしようと模索しようとするのではなく、関連部門(例えば、インフラ・システムは情シスやIT部門)にも協力を仰ぎ、それぞれ専門分野となる部分は提案依頼書の作成をサポートしてもらうのが一つポイントになります。企業の規模によって、Webサイトにまつまわる対応範囲は異なりますが、企業規模が大きく、コンテンツ、システム、インフラ、外部ツール・サービスなどによって、主担当部門が異なる場合は、きちんと対応部門を巻き込んで調整を図るようにしましょう。特定の部門だけでかき集めた情報だけで、調整を図ろうとすると、後々、トラブルになることもあります。
また、同じ部門内でも全体を統括している方と実務をしている方では感じている課題も異なりますので、要件を取りまとめる際はさまざまな視点から情報を取りまとめるとよいでしょう。
立場の異なる関係者を集め、協力を仰ぎ作成していくことで、同時に同意を得ることもできます。それにより、後々になってちゃぶ台が返される心配も少なくなり、巻き込むことによって自分ごと化させるというメリットもあります。
ベンダーに対する要求を明確にする
提案依頼書(RFP)に記載される要求事項ですが、要求事項が多い場合は絶対にやらなければいけないことと、できればやりたいこと、欲を言えばやりたいことの3つに分けて優先順位をつけてみましょう。
要求事項をすべて対応できることがもちろん理想ではありますが、予算やスケジュール、リソースの状況において、要求事項すべてを受け入れることが難しい場合もあります。そのような問題にぶつかった時に優先順位をつけておくと、関係者間でどの要求事項を重点的に取り込むべきかの判断をしやすくなります。提案をする側においても、この要求事項の優先順位を踏まえ、段階的なサイトリニューアルの計画を提案してもらえるケースもあります。そのため、企業側・ベンダー側の双方で整理や判断がしやくなりますので、ぜひ要求事項の優先順位はつけてみましょう。
ベンダーの評価軸を明確にする、書く
ベンダーの評価軸(選定基準)を予め設定し明確にしておくことで、プレゼン後に関係者で評価を行う際に、同じ視点で評価をしていくことができるので、人によって起こりうる評価のばらつきを抑えることができます。また、評価をされる関係者が多い場合も比較的、意見の整理や集約も行いやすく、論点も明確にしやすいです。
評価軸の参考
- 提案依頼事項や前提条件を理解された上、要望に沿った提案になっているか
- 具体性のある提案内容や施策になっているか
- プロジェクトスケジュール、コスト、プロジェクト体制の妥当なものか
- 類似案件の制作実績をもっているか
- UI/UX設計、デザイン力があるか
- プロジェクト主担当者のコミュニケーション力、プロジェクト管理能力があるか
3.まとめ
本コラムでは、Webサイトのリニューアルを進める前に検討すべき内容と抑えるべきポイントを紹介いたしました。事前の検討をしっかり行う上で、リニューアルプロジェクトが始まった際に、迷うことが少なくなり、後になってから手戻りや抜け漏れを減らすことができます。
また、検討する中でやるべきことを具体的にすることで、このWebサイトリニューアルのプロジェクトの質も格段に高くなり、スムーズにより良いWebサイトにすることが可能になります。
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提案依頼書(RFP)のテンプレートやWebサイト制作を進める際にWeb担当者がおさえておくとよいポイントなどを各資料にまとめていますので、ぜひ活用ください。
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