カスタマージャーニー作成と活用のポイントとは?
更新:2017年12月26日(火)| 公開:2017年12月26日(火)| その他
広告やチラシ、店舗といったオフラインに加えて、コーポレートサイトやマーケティングサイト、SNS、デジタル広告、アプリといったオンラインを中心に、顧客とのタッチポイントは多様化しました。このような時代では、顧客の動き、すなわちカスタマージャーニーを把握して、各タッチポイントを最適化していくことが欠かせません。
そこで、本コラムではカスタマージャーニーを考える上でのポイントや、カスタマージャーニーマップの作り方を解説します。
カスタマージャーニーを考える上でのポイント
最終的な購買や成約に至る過程で、どのようなタッチポイントを設けるべきなのか?各タッチポイントでどのようなコンテンツを用意すべきなのか?を考えるには、まず顧客の動きを把握する必要があります。
具体的には、カスタマージャーニーマップを作成して認知から購入に至る各ステージで顧客がどのような行動を取るのかを仮想的に検討する必要があります。
そして、カスタマージャーニーを考える際には次のポイントを押さえることが重要です。
具体的なアクションプランまで落とし込む
単にカスタマージャーニーマップを作ることに満足してしまうことは避けましょう。各タッチポイントで、顧客を次のステージへと引き上げるために何をするのかを具体化したアクションプランも決める必要があります。
オフラインも考慮する
最終的な購買(あるいは申し込み)に至る過程で、顧客がオフラインとオンラインを行き来することは当たり前となりました。このような時代において、売上拡大といった成果獲得につながるデジタルマーケティングを実現するためには、オンラインとオフラインの垣根を越えて、顧客が複数のタッチポイントをどのように経由しているのかを把握する必要があります。
事業やプロダクトごとにカスタマージャーニーマップを作成する
カスタマージャーニーマップは、しばしばWebサイトリニューアルの前提として作成されます。もし、複数のプロダクトや事業の情報を取り扱ったWebサイトをリニューアルする場合には、複数のカスタマージャーニーマップが必要となります。それは、プロダクトや事業ごとに、カスタマージャーニーが異なるからです。
とはいえ、すべてのプロダクトや事業についてのカスタマージャーニーを検討することは難しいケースもあるでしょう。そのような場合には、主力となっている2~3程度のプロダクトや事業についてカスタマージャーニーマップを作ると良いです。「主力=業績への貢献度が高い」領域での顧客の動きを把握し、それをサイトに反映することで業績向上にもつながりやすいからです。
では、カスタマージャーニーマップは、どのような手順で作成すれば良いのでしょうか?
カスタマージャーニーマップの作り方
1. ペルソナを設計する
まず、ターゲットをより明確にしたペルソナを設計します。対象となるプロダクトや事業に対する理解度、在籍している企業の規模・業種はもちろん、家族構成・性格・ITリテラシー、インターネットリテラシーといったものも検討します。また、仮想的にペルソナの氏名も決めておくと、関係者間でペルソナをより共有しやすくなるでしょう。
2. ペルソナの行動を考える
ペルソナを設計したら、ステージごとに実際のペルソナが、どのように行動するのかを考えましょう。
ステージとしては下記が一般的です。
ポイントとなるのは、最初の「購入」後のステージについても考えることです。NPSのような顧客ロイヤルティを測る指標が注目されたり、LTV(顧客生涯価値)を重視する企業が多くなったりしている今日では、顧客と長期の関係を築いて再購入を促していくことが欠かせません。
3. 設計したペルソナとその行動の妥当性を検証する
設計したペルソナとその行動は、必ずしも現実に即しているとは限りません。そのため、検証が必要となります。特に、オフラインのタッチポイントでの行動については注意が必要です。多くの企業は、カスタマージャーニーマップの作成を含むマーケティング戦略の検討をマーケティング部門主導で進めていますが、オフラインでの顧客の動きは実際の営業担当者や店舗責任者の方がよく理解しているケースもあるからです。そのため、このような社内の関係者にヒアリングを行って妥当性を検証しましょう。
4. アクションプランを決める
ペルソナを設計し、その行動がわかっても、それだけでは成果をあげることはできません。顧客を次のステージへと導き、最終的な購入につなげる必要があります。
そのためには、次のステージへと導くアクションプランを検討する必要があります。全体最適を念頭に、各ステージにおいてどの部署がどのような手を打つのかを決めましょう。
では、このような形でカスタマージャーニーマップを作成することにはどのような効果があるのでしょうか? 事例から見ていきましょう。
外資系アパレル企業A社での事例
外資系アパレル企業A社では、新たな中期計画の策定を契機にデジタルマーケティングへのシフトを目指していました。その一環として、特にブランド戦略を見直す過程でカスタマージャーニーマップを作成することにしました。しかし、必要となるデータを十分に蓄積できていなかったため、ペルソナを設計し、そのペルソナになりきる形で仮想的に作成していきました。
その結果、作成したカスタマージャーニーと現状の施策を照らし合わせることで改善すべき課題を見出すことができました。そのひとつが、Webサイトです。A社では、Webサイトを縦割り構造からユーザフレンドリーな構造へリニューアルし、ユーザビリティを高めました。
また、カスタマージャーニーを検討したことで、社内でのデータに対する意識にも変化が… 従来、ブランド戦略を検討する部門はデータを収集するという意識が薄く、「データの収集や分析はWebサイト運営部門で完結させて欲しい」という考え方でした。しかし、この取り組みを通じてブランド戦略を検討する部門もデータの重要性を認識し、自部門でもデータを収集・分析して戦略策定に活かしていくという意識に変わったのです。
A社での事例において、コニカミノルタはワークショップを通じてカスタマージャーニーマップの作成を支援しました。また、マップに記載されたアクションプランに基づいてWebサイトリニューアルやオフラインを含めたマーケティング施策への予算配分など、マーケティング全般に貢献しました。
「各タッチポイントを最適化したい」
「カスタマージャーニーマップを作成して顧客の動きを整理したい」
このようにお考えの方はコニカミノルタまで、ぜひご相談ください。
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