生産工程で起こるトラブルの原因究明と早期解決に貢献
株式会社コニカミノルタサプライズ様 導入事例
先進のカメラシステムが状態異常の記録と事後解析に力を発揮
複合機、デジタル印刷システムなどの感光体の消費資材の生産を行う株式会社コニカミノルタサプライズ様。生産工程におけるトラブル発生の原因究明に手間と時間がかかってしまうのが大きな悩みでした。
しかし、この課題をグループ内のコニカミノルタが提供する先進のカメラシステム「MOBOTIX」が解決。工場のラインを常時監視するカメラシステムとして活用され、装置異常動作の記録とトラブルの事後解析に力を発揮。トラブル発生時の原因究明と対策の迅速化を実現し、ダウンタイムの短縮に貢献しています。
お客様の課題
- 生産工程の異常発生時、その現象がわからない
- 発生後の推測では、正確な情報が得られない
- 異常発生時の原因究明に時間がかかりすぎる
解決のポイント
- 生産設備のライン常設監視に「MOBOTIX」を活用
- 装置異常動作の記録、事後解析に活用
- 常設監視により早期原因究明、解決が実現
MOBOTIX導入における満足ポイント
- 常設監視による工程監視業務の軽減
- 分散管理によるシステムの柔軟性の高さ
- 工程監視、安全確認、セキュリティー等幅広い用途
お客様インタビュー
武藤 正一 様
導入の背景
生産工程のトラブルを早期に究明・解決したい
コニカミノルタグループの一員として、複合機やデジタル印刷システム等に使用される「トナー」「現像剤」「有機感光体」「機能材料」などの消費資材の生産を担うコニカミノルタサプライズ様。今回は、IPネットワークカメラシステム「MOBOTIX」の取材で、山梨県の甲府工場にお伺いしました。
「工場のラインはいろいろな設備の組み合わせ。生産工程では、予想外の不具合が起こることがあります」とおっしゃるのは、NP生産部部長 武藤正一様。「生産工程の中で、同じ箇所で何度も不具合が起こると、何が原因なのか確かめることが重要になってきます。
これまでは再現性のあるトラブルには、その都度ビデオカメラを設置して映像を撮り、原因を探っていました。しかしそのやり方では、問題解決までに時間がかかり過ぎてしまいます。生産の現場では、いかに早期にトラブルの原因を突き止め解決をするか、それが重要なのです」と武藤様。
コニカミノルタの「MOBOTIX」の活用へ
ちょうどその頃、武藤様はコニカミノルタから発売された「MOBOTIX」の存在を知りました。「MOBOTIX」は、カメラ自身が監視し記録できる先進のカメラシステムです。「もちろん監視カメラであることは理解していました。生産設備を常に監視することに活用すれば、これまでの異常の原因究明に時間がかかりすぎるという課題が解決できるのではないだろうか、と考えました」。
工場のラインの常設監視という用途をメインにして2018年度から導入、時間経過とともにその明確な効果が現れ、設置台数を増やしていきました。
導入の効果
装置異常の原因究明・把握がスピードアップ
現在、「MOBOTIX」はコニカミノルタサプライズ様の4工場で168台が稼働中です。取材に伺った甲府工場には55台を設置、武藤様が担当するNP棟では、加工、塗布、組立ラインの監視に使われ、装置の動作状態の記録と異常時の事後解析に大きな効果をあげています。常時監視が行われるため、異常が起こった時の原因究明、把握が格段にスピードアップ。「何度も異常が起こってから、ビデオカメラを設置するというムダと手間がなくなりました」。2021年は10件、2022年は5件、2023年もすでに数件の工程異常の原因究明に貢献。ラインのダウンタイム短縮に一役買っています。
「例えば加工工程では、加工が終わった製品をアームロボットが掴んでトレイに入れるのですが、それがうまくいかず、動作が停まってしまうことがありました」。その様子を「MOBOTIX」で記録した動画で確認すると、どの時点で異常が起こったかが、明快にわかりました。「映像で確認すると、トレイとの位置がずれていたこと、ロボットアームがどの時点で異常状態になっていたかがはっきりわかり、迅速に対策をとることができました。ロボットを再調整し、それ以降、異常は発生していません」。
工場内では、俯瞰できる360°カメラと部分部分を見るカメラの2種類のカメラを使い分け、「全体をざっくり捕らえる360°カメラと、設備のディテールをしっかり監視するカメラ、それぞれの機能に合わせて活用しています」とのこと。
工程監視に力を発揮する「MOBOTIX」ならではの機能
「MOBOTIX」の大きな特長の一つが、エッジコンピューティングにより柔軟な管理ができること。カメラ自体にコンピューターが内蔵されているため、サーバー無しで独立した運用をすることも可能となり、現場の課題にあわせたシンプルなカメラシステムを実現します。このメリットを活かし、工場内に固定しないカメラも活用しています。「三脚にカメラを設置して見たいところへ移動する。これはポイントを絞って見られるというメリットがあります」。また映像は本体内のSDカードに保存できるため、長時間の映像記録が可能。「固定せずに使っても、1台のカメラに数週間分の映像を残しておくことができます」。
加えて一般的なネットワークを組まなくてもいいため、モニタールーム等を設けて集中管理する必要もありません。「工場内の数カ所にモニターを設置していて、加工工程のスタッフはリアルタイムで工程を監視したり、何か起こった時の振り返りに活用していますね」。モニターでは、一つの機器をクローズアップしたり、また工程別に分割表示したり、ニーズに合わせて表示ができて便利に使っています。
安全確認、セキュリティー、社員教育にも活用
工場ではライン監視に活用されている「MOBOTIX」ですが、安全確認やセキュリティーの向上にも高い効果をあげています。本館にある倉庫では、安全確認のために活用。倉庫内の狭い場所でフォークリフトと人の作業が集中する場所で、映像により、危険な状況を検知、改善につなげています。
さらに、一人作業の見守りにも力を発揮。「現在、工場はロボット作業が多くほぼ自動化されているため、人による作業が少なくなっています。そのため、人を見守るということは非常に重要なのです」。360°カメラで現場を俯瞰することで、スタッフが倒れたりしていないかを見守る役目も果たしています。こうして蓄積した映像は、安全対策の社員教育の資料としても活用されています。もちろん、防犯対策としての従来の監視カメラの役目も果たしています。守衛室や工場の屋上部分に設置され、正門の入退場監視や、侵入検知にも活用されています。
コニカミノルタのサポート体制についても伺いました。「何かあれば電話1本で対応してもらっているので、それは本当にありがたいですね。電話とメールで対処法を教えていただいて、すぐに解決できています。対応は、迅速で、丁寧です」と、お褒めの言葉をいただきました。
今後の展開
さらに高度で便利な活用方法を視野に
今後の活用についてお尋ねしました。「MOBOTIX」の大きな特長である動体検知の機能を活かして、立入禁止エリアの設定、スタッフの転倒監視なども検討していくつもりとのこと。「監視中に異常があればアラームを鳴らしたりできれば便利ですね。外部機器との接続も考慮すると、まだまだ課題はありますが、さまざまな方面で活用していきたいと考えています」。
さらに「MOBOTIX」の温度を可視化するサーマルカメラ機種の活用についても、「たとえば、機器の動作時の温度を監視して、通常より早い温度上昇や高温になっていることがわかれば、機器の寿命予測につながるかもしれませんね」と、機器の劣化監視の可能性についても語っていただきました。状態異常監視、安全確認から、さらに一歩踏み込んだ活用へ。コニカミノルタサプライズ様「MOBOTIX」活用の幅は、今後も大きく広がっていきます。
お客様プロフィール
住 所:山梨県甲府市宮原町303番地
設 立:1981年2月
従業員数:313名(2023年9月現在)
事業内容:複写機、プリンタ、印刷機用資材(感光体ドラム・現像剤)の製造販売
U R L: https://www.konicaminolta.com/jp-ja/bsj/company/
導入した製品について
M26 堅牢なオールラウンドカメラ
堅牢な構造とIP66の優れた耐候性により、過酷な条件下でも耐えうる設計です。自由にレンズ選択ができるので、設置場所を選びません。グラスファイバーで強化された外側ハウジングは長寿命設計です。
M16 オールラウンドデュアルカメラ
2個の光学イメージセンサーと2個のレンズを搭載。鮮明なカラービデオと高コントラストの白黒ビデオを暗い環境でも提供します。昼間用と夜間用のシステムを照明環境に応じて自動で電子的に切り替え、1台で昼夜監視可能です。
S16 フレキシブルな2眼レンズカメラ
本体とレンズ/センサー部分が分離した構成で柔軟な設置が可能。3mある2本のビデオケーブルにより独立した2部屋、屋内と屋外など、離れた2つの領域を1台で監視できます。また一般的なカメラでは取付困難な用途にも最適です。
MOBOTIXの革新性
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Case 導入事例 Vol.124
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