インサイドセールスが注目を集める理由と成果を上げるためのポイント
更新:2021年12月09日(木)| 公開:2021年12月09日(木)| マーケティング
従来の営業活動は、案件の創出から受注・納品後のアフターフォローまでをひとりの営業担当が担当するケースが珍しくありませんでした。しかし、最近ではそのプロセスに見直しがかけられ、分業化が進んでいます。分業化の目的は、営業活動全体の効率化や、属人化を防ぐこと、役割分担を行うことで専門性を高め、成果を高めることなどがあります。また、2020年以降は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、オンラインでの営業活動が大きく注目を集めています。
そこで今回は、オンライン施策と相性の良いインサイドセールスという営業手法をご紹介します。インサイドセールスの概要やメリットのほか、注意すべき点などをご紹介した上で、導入を成功させるためのポイントについてお伝えします。
目次
インサイドセールスとは?
インサイドセールスは、電話やメール、オンライン商談などの非対面な営業活動を行う役割を担う営業です。従来の電話営業(テレアポ)と異なる点は、友好的な関係を築くことを目的としている点です。お客様に対して継続的に有益なコンテンツの提供すること、取引につながる関係性を作っていくことが求められます。テレアポとインサイドセールスの違いを理解していないと、インサイドセールスは失敗に終わる可能性が高いので注意が必要です。
営業活動の対象となる顧客は、「未来の顧客」と「今すぐの購入が期待できる顧客」の大きく2つに分けられます。しかし、ひとりの営業がこの両方を同時にカバーするのは難しく、場合によっては両方を逃してしまうリスクがあります。受注までリードタイムが長い傾向のあるBtoBにおいては、効率的な営業活動を実現するためにそれぞれの役割を分ける企業が増えています。
インサイドセールスは、「状況把握」「ヒアリング」「関係づくり」「情報提供」といった活動を行うことにたけているため、主に未来の顧客をつくる営業活動を実現するための役割として、重要性が高まっているのです。
インサイドセールスのメリット
インサイドセールスに対し、顧客先に訪問して対面で行う営業手法をフィールドセールス、もしくはアウトサイドセールスと呼びます。従来、営業手法は顧客先に訪問するフィールドセールスが中心でした。それが今、なぜインサイドセールスに注目が集まっているのか、それは次のようなメリットがあるからです。
オンライン施策のアフターフォローが可能
ホワイトペーパーをダウンロードした顧客が、すべて問い合わせをしてくるとは限らないので、オンライン施策単体で成果をあげることは簡単ではありません。
商談機会を創出するために、何らかのアクションを起こした顧客に対して、積極的なコミュニケーションも必要です。インサイドセールスは、顧客のアクションに合わせてさまざまな手段でアプローチすることで、商談創出の確度を向上させるのです。
フィールドセールス活動の効率化
営業活動の中に、インサイドセールスの役割を取り入れることが主流になったとしても、フィールドセールスがなくなるわけではありません。インサイドセールスとフィールドセールスではもとめられる役割が異なるからです。インサイドセールスがしっかりと機能することにより、フィールドセールスは成約確度の高い顧客にリソースを集中させることが可能になります。役割を分けることでフィールドセールスも効率的に営業活動を行うことができるようになります。
長期的な関係性の実現
フィールドセールスは、目の前の受注を作るために必死になる一方、時間がかかるなと思ったお客様の対応にはどうしても優先順位が低くなってしまうことがあります。インサイドセールスはそうしたお客様と、時間をかけてコミュニケーションを行い良好な関係を築くことをミッションとしています。インサイドセールスが存在することで、顧客と長期的なコミュニケーションが実現できるようになるのです。
新型コロナウイルスの影響で対面でのコミュニケーションが難しくなったこともあり、非接触かつ非対面の情報発信、営業活動が顧客にも受け入れられつつあります。インサイドセールスを活用した顧客との良好な関係性の構築はますます進んでいくでしょう。
インサイドセールスの課題点
多くの企業から注目を集め、メリットも多いインサイドセールスですが、成果を上げるためにはいくつかの課題を解決する必要があります。
顧客の状況に合わせたきめ細かい対応
商談機会を創出するためには、顧客の状況に応じた適切な情報提供が欠かせません。自社Webサイトに1回しか訪問していない顧客と、すでに商品問い合わせを行っている顧客に対して、同じような情報提供を行っても高い成果は得られません。1回しか訪問していない顧客には、より知ってもらうためのセミナーをご案内したり、問い合わせいただいた方には、必要な情報を迅速に提供したりする必要があります。インサイドセールスには、このような柔軟な対応が求められます。
インサイドセールスを担う社員に対する教育の徹底
従来の電話営業の場合、主な役割はフィールドセールスのアポイントメントを取ることでした。そのため、商材の詳しい知識よりも電話応対のテクニックが重視されていました。しかしそれは情報が、営業担当者以外から入手することが困難であった時代のものです。現在はネット上で多くの情報を入手可能なため、事前の情報収集は完了しているケースもあります。そのため、インサイドセールスを担う社員は、商材はもちろん業界知識などにも精通している必要があり、詳しくなければ顧客からの信頼を獲得することはできません。インサイドセールスの研修では、商材担当や営業担当から商材のポイントやセールストークなどを学ぶ機会も設定するとよいでしょう。
フィールドセールスとの情報共有
インサイドセールスとフィールドセールスとの間で情報共有ができていない場合、効率的な営業は実現しません。インサイドセールスがお客様から直接伺った情報をフィールドセールスに連携できていなければ、お客様に失礼ですし、元も子もありません。現在の顧客状況、どういった情報を求めているのかなど、常に双方の情報共有が重要です。
インサイドセールスで成果を上げるためのポイント
それでは、インサイドセールスを自社に取り入れて成果を上げるためには、どういった点に注意が必要なのか、そのポイントについて説明します。
見込み顧客の創出を行う
インサイドセールスの課題点でも触れたように、やみくもに電話をかけるのではなく、見込み顧客に対して適切なアプローチを行うのがインサイドセールスです。そのため、まずは見込み顧客の創出が欠かせません。
「企業や個人の属性」「自社Webサイト上での顧客のデジタル行動」に加え、「検討度合い・予算有無などのヒアリング項目」を正確につかみ、適切なフォローを行うことが重要です。
具体的には、顧客の抽出に必要な項目をフォームに設定したり、外部ツールを活用して企業の属性情報をひもづけたりするほか、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント)情報を一元化しておくなどの仕組みづくりを行っておきましょう。
業務の分担を明確にする
インサイドセールスで成果を上げるためには、フィールドセールスの役割も重要であるため、それぞれがどういった役割を果たすのかについて、必ず確認しておきましょう。
具体的には、「商談案件を創出するまでをインサイドセールスで行う」「クロージングまでをインサイドセールスで行いアフターフォローをフィールドセールスで行う」「新規顧客はインサイドセールスが担当し、既存顧客はフィールドセールスが担当する」などがあります。線引きには正解はなく、インサイドセールスを導入した目的や商習慣などによって変わってきます。
インサイドセールス担当者とフィールドセールス担当者との業務分担を明確にしたら、それぞれのKPIも数値として可視化させましょう。マーケティング部門のKGI,KPIについては「BtoBマーケティングにおけるKPI・KGIの考え方と設定のポイント」で解説しています。
インサイドセールスとフィールドセールス間の業務進行を円滑に行うためには、それぞれの情報や課題を共有しておくことも必要です。
「情報資産」「人物情報」「顧客のニーズや課題」などを顧客管理ツールであるCRMで把握し、営業管理ツールであるSFA(セールス・フォース・オートメーション)を活用するなど、適切なコミュニケーションをスムーズに行うための環境を整えることも重要です。
それぞれの役割を明確に分けることがインサイドセールス成功のポイント
大きな注目を集めているインサイドセールスですが、商談に持ち込める可能性の高い見込み顧客の創出ができなければ、大きな成果をあげることは難しいです。また、インサイドセールスとフィールドセールスをうまく融合させないと、大きな成果は見込めません。それぞれの役割と業務内容を明確にしておくことが重要です。
したがって、インサイドセールスで成果を上げるためのポイントは、「見込み顧客の創出」と「フィールドセールスとの明確な役割分担」の2点となります。そのうえでインサイドセールスとフィールドセールスが情報共有を欠かさず、一緒に目標を追っていければ、商談機会の創出が実現するでしょう。
これらを効率的に行うためには、MAツールや営業管理ツールの導入が欠かせません。ツール活用でお困りの際は、ぜひ、コニカミノルタにご相談ください。
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