ここがポイント!アクセス解析から分かることとデータの活用方法
公開:2021年3月19日(金)| アクセス解析
新型コロナウイルス感染症の影響が拡大し、多くの企業で対面でのお客様との接点が失われています。そのような状況下でお客様が目にするのは企業のホームページになると思います。リモートでの営業ツールとしては電話やメールなどもありますが、顧客自身が主体的に情報を得られる点でホームページの存在は大きいと言えます。
コロナ禍で更に加速するネット社会において、潜在的な顧客を獲得するには、ホームページの存在も欠かせません。でも、どんなホームページを作ったら良いのか分からない、どのような人がサイトを見ているのか知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのようなお客様の課題を解決するために有効な手法の1つとして、Webサイトのアクセス解析があります。「アクセス解析」という言葉は聞いたことはあるけれど、どんな情報が得られるのか、どうやって情報を活かすのか分からない…という方でも心配いりません。
本コラムではアクセス解析について、データから得られる情報や解析結果の活かし方についてご説明します。
なお、アクセス解析についてまだよく分からないという方、より基礎から知りたい方は、コラム記事「すぐに始められる!初心者のためのWebサイトのアクセス解析」も、ぜひ合わせてご覧ください。
アクセス解析で分かること
アクセス解析によって得られる情報は、使用するデータ分析ツールによって違いがあります。
今回は、企業のWebサイトで使われるツール調査でシェア83%※を獲得する「Google Analytics」と、競合他社サイトやアプリとの比較分析に適した「SimilarWeb」の2つのツールを例に、基本的な用語の解説も交えてご紹介したいと思います。
※出典:Web担当者Forum「83%の企業がGoogleアナリティクスを利用! 上場企業が利用しているWebサービスTOP100を公開」
この2つのツールは、弊社でも自社やお客様のサイト分析調査やサイト改善提案の際に活用しています。
基本用語
ページビュー数(PV数)、セッション数、ユーザー数
- ページビュー数
サイト内のページが表示された回数です。サイト内での回遊なども含めて、「サイトのページは何回くらい見られているのか」ということを確認する指標です。
- セッション数
ユーザーがサイトに訪問してから離脱するまでの一連の行動の回数です。新規 / リピーター関係なく、「サイトには何回訪問されているのか」ということを知りたい際に見るべき指標です。
- ユーザー数
特定の期間内にサイトを訪れたユーザーの数です。単純に「サイトは何人に使ってもらえているのか」ということを知りたい際に見るべき指標です。
図で表すと以下のような関係です。
この図の場合、ページビュー数は6。セッション数は2。ユーザー数は1になります。
ランディングページ
ランディングページとは、Webサイトに訪れたユーザーがセッションの中で一番最初にアクセスするページのことです。 Web広告では訪問したユーザーを「お問い合わせ」や「注文」といった次のアクションを促すために作られたページを指すこともありますが、アクセス解析の文脈では前者の意味で用いられます。混同しないよう注意が必要です。
検索キーワード(検索クエリ)
検索キーワードとは、ユーザーが検索エンジンからサイトに到達するのに使ったキーワードのことです。
検索結果のキーワードを見ることで、サイトの内容と想定していたキーワードが一致しているかという判断ができ、一致していない場合はサイトの改善が必要であるということが分かります。
また、SEOやキーワード広告で設定したキーワードの再検討も行うことができ、サイト改善にとどまらない指標となります。
コンバージョン率(CV率)
CV(=コンバージョン)とは、資料請求、お問い合わせ、予約、注文、会員登録など、Webサイトのゴールとして設定した目標をユーザーが達成することを指します。 CV率は総アクセス数に対してCVに達した割合のことです。この数値が高いほど成果を上げていることの証明となります。
直帰・離脱
直帰はサイトに訪れたユーザーが、訪問したページのみ閲覧し他のページを見ずにサイトを離れた場合を指します。離脱は2ページ以上閲覧した後にサイトを離れた場合のことを指します。
サービスページや実績ページでの離脱が多い場合、ページに何らかの原因があることが分析できます。
Google Analytics
Google Analyticsとは、Google社が提供するアクセス解析ツールです。
分析したいページのソースコードに計測タグを埋め込まなければなりませんが、Googleが持つツールやデータとの連携といった強みを持ち、ユーザー像を詳しく分析できるツールとなっています。
GoogleAnalyticsでは左側にメニュー大項目が配置されており、以下の図のような情報を見ることができます。
SimilarWeb(シミラーウェブ)
SimilarWebは、SimilarWeb株式会社が提供している、ウェブサイトやアプリを包括的に分析できるツールです。
Google Analyticsのように計測タグをページに埋め込む必要はなく、自社サイトだけでなく、競合サイトやアプリの解析ができます。また、業界カテゴリ別の分析ができたり、キーワードトレンドを把握することができ、単純にサイトの分析をするだけでなく、広告運用やSEO施策に役立つデータを得ることもできます。「比較機能」が実装されているため、競合とのサイト比較を簡単に行うことができます。
SimilarWebは有料ツールとなりますが、GoogleChromeブラウザでSimilarWebのアドオンをインストールいただくことで、簡易的なサイトデータを確認いただくこともできます。
このようにツールによって解析できる情報は違います。何を知りたいのか、解析の目的を明確にした上で目的に沿ったツールを探してみてください。
アクセス解析のポイント
過去データとの比較
アクセス解析で得られたデータは、過去のデータと比較することが重要です。
日々の数値の増減自体に意味はありません。週単位、月単位など長期でデータを比較することが大切です。
外部要因の考慮
サイトのデータには必ず外的要因が作用します。内的要因だけに原因を求めすぎると、市場環境の変化を見落とす可能性もあります。アクセス解析をする際は市場において変化を及ぼす要因があるか考慮する必要があります。
分析レポートの共有
アクセス解析の結果は周囲に共有することが大切です。分析者はサイトで起こる事象の原因を追求しますが、それをどのように改善につなげるかというアイディアまでは落とし込めないことがあります。
定例会などでレポートを共有し、どのように修正したら改善につながるかの議論が必要です。
ユーザーの気持ち
アクセス解析では、見えづらいユーザーのインサイトも考えていく必要があります。あるページでユーザーが離脱したことが分かっても、なぜそこで離脱したのかという原因を探るためにはユーザーニーズの深掘りが不可欠です。
「ユーザー調査」や「アンケート調査」で実際にサイトを利用しているユーザーの生の声を聞くなど、定性的な視点からもサイトを見ていくことが求められるでしょう。
アクセス解析の結果をどのように活かせるか
アクセス解析をすることで、多くのデータを得ることができます。ではそのデータをどのように活用できるのでしょうか。
サイト訪問者の理解
まず第一にサイトの訪問者の理解ができます。
Webサイトの構築において、顧客の理解は欠かせません。顧客がコンバージョンにたどり着くまでに不便を感じさせることがあれば、直ちにサイトの離脱につながってしまいます。
顧客が求めていることを把握し、適切な対応をすることが必要です。
適切な改善計画立案
第二に、適切な改善計画の立案ができます。
現状を把握できなければ見当違いの計画を立ててしまう恐れがあります。現状を把握することは、適切な計画立案のために必須です。アクセス解析を行うことで、Webサイトの状況を数字で表すことができるため、現状を正しく理解することができます。
このように、アクセス解析を行うことでサイト上の様々な課題が発見できます。
しかしアクセス解析結果に活かすには、定期的にチェックを行い、外的要因なども含めてデータを解析した上で効果的な施策の立案を行わなければいけません。
コニカミノルタでも、自社のWebサイトのアクセス解析を行い、週次、月次で結果の分析を行っており、アクセスデータを全社員に共有するなどの取り組みも始めました。また、部門ごとに確認したいデータ指標のみを定常的にチェックできるダッシュボードを用意し、関係者でサイトへのアクセス状況を確認したり、そこから課題の発見や施策の効果を測るなど、データを活用しています。
まとめ
アクセス解析を行うことで、ユーザーが何に興味があるのか、施策がどのくらい成果を上げているのか、様々な情報を得ることができます。そしてその情報を活かしてサイトを改善することでより良いサイトの運用ができるようになります。
一方でアクセス解析に詳しくない人が独自で始めるのは難しいとも言われています。また、アクセス解析に時間を使う余裕がないということもありますよね。
コニカミノルタではGoogle Analyticsの使い方をレクチャーする支援を行っています。また、分析のレポートを作成し、サイト改善の提案も行っています。アクセスデータの分析やデータを活用したサイト運用業務でお困りの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
コニカミノルタのご支援事例
TOTO株式会社様:海外コンシューマーに向けブランド訴求&製品PRできるサイト・コンテンツを構築
コンテンツ制作と合わせて分析できる環境づくりをご支援致しました。サイトを訪問したユーザーのその後の行動を簡単にレポート化し、ニーズに合致したコンテンツを追加できる仕組みづくりを行いました。
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