キリンホールディングス株式会社 様
世界のCSV先進企業に相応しい企業情報サイトを構築
リニューアルプロジェクトで企業情報サイトのあるべき姿に進化させ、
企業ビジョンを明快に表現
2021年6月にリニューアルが行われたキリンホールディングス株式会社の企業情報サイト。これを一目見れば企業の立ち位置や考え方が理解でき、一般的な企業情報サイトとは一線を画すと注目を集めています。まるで今後の企業と社会との関わり方の変化を見据えたかのようなつくりになっている、こちらのサイト。制作・運用支援をコニカミノルタジャパンが担当しています。
取材にご協力いただいた方
キリンホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部IR室
梅原遼様
キリンホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部
戸所恵利様
事例概要
課題
- 会社概要だけでなく、ステークホルダーに対して、キリンの事業領域に関する正しい理解を促したい
- 運用上の問題から生じる品質劣化を解消したい
解決策
- 企業情報サイトを統合報告書と一体化し、価値創造モデルを軸にWebサイトを設計
- 既存の企業情報サイトを定量的に分析。課題を特定し、リニューアル内容に反映
- 統合報告書の編集体制を活用し、Webサイトの運用体制を再構築
導入の背景
なぜヘルスサイエンスや医領域の事業を展開しているのか?
その背景が知られていない現状を打破したい
「一般的にキリングループは、ビールや飲料など、食に関する事業のイメージが強いと思います。しかし他にも、ヘルスサイエンスや医薬の領域に関する事業を展開しています。従来の企業情報サイトでは、そのような事業を展開している背景や理由が表現しきれていなかったことが課題でした。そこで、2019年に長期経営構想『キリングループ・ビジョン2027』を策定したタイミングで、企業情報サイトの刷新を考えました。これがそもそものきっかけです」
今回コニカミノルタジャパンが制作・運用支援を担当し、2021年6月に一新した企業情報サイトのリニューアルプロジェクトについて、このように話すのは、キリンホールディングスコーポレートコミュニケーション部IR室の梅原遼様。リニューアルプロジェクトの発案者にして、プロジェクトリーダーを務めた人物です。
なお2019年には、国内飲料事業を担っていた中間持株会社、キリン株式会社をキリンホールディングス株式会社に吸収するなどの組織再編が行われましたが、このこともリニューアルプロジェクトを進めた理由の1つ。同社コーポレートコミュニケーション部で、オウンドメディアの担当を務める戸所恵利様は「組織再編に伴い、キリン株式会社とキリンホールディングス株式会社の両サイトを活かしながら役割分担し、定義しなおす必要がありました」と説明します。
導入の効果
統合報告書と企業情報サイトをリニューアルを通して一体化へ
プロジェクトを経て誕生したWebサイトは、従来の単に企業概要を掲載する一般的な企業サイトとは、一線を画すものであることは一目瞭然です。
コニカミノルタジャパンは、旧Webサイトを定量的に分析して課題を洗い出した上で、コンセプトやデザイン、サイトの設計を提案し、Webサイトの制作を行いました。完成したWebサイトは、TOPページにキリンホールディングス様のCSV経営のベースとなる価値創造モデルを軸に設計。長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」において発表された「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」という思いを具体的に分かりやすく表現し、Webサイトを開けば、企業の想いや取り組みが一目で理解できるようになっているのです。
「リニューアルにあたり、こちらが考えていたのは統合報告書と一体化させようということです。それにより企業メッセージを強く打ち出すことができると考えました。また従来は、IR情報はIRの担当、CSVはCSV担当というように、テーマごとに異なる部署でコンテンツを制作していましたが、現在は統合報告書の制作チームに、Webサイト制作に関わる複数の部署をアサインすることも考えています。以前の体制では横の連携がなかったので、メッセージやイメージの不統一、コンテンツの重複などが起こり、品質劣化につながる恐れがありました。しかしこの新体制であれば方針のすり合わせなどが可能になるので、そうした課題も解消できるでしょう」(梅原様)
そして、過去に類のないこの取り組みを理解し、提案内容にきちんと落とし込んだコニカミノルタジャパンが協力会社として選定されたのです。
梅原様はさらに「コニカミノルタ社自体、先進的な企業情報サイトを構築・運営していて、CSVやサステナビリティ、財務・非財務の連携などについて、幅広く、深い知見を有していることも決め手になりました。企業情報サイトは企業が伝えたいストーリーをロジカルに伝えることが重要なので、ロジカルに語る部分と情緒的な部分のバランスが重要です。そのあたりのバランス感覚が優れていることも好印象でした」と付け加えます。
CSV先進企業に相応しい企業情報サイトへ進化
戸所様は要件定義前に実施した、分析の内容を評価します。「コニカミノルタジャパンの提案内容は、デザインだけではなく定量的な分析を基にしており、企業情報サイトの役割を企業活動全体から捉えていた点も、評価につながったと思います。既存サイトへの分析内容は、検討候補に挙がっていた他社に比べても、充実したものだったと記憶しています。リニューアル後も、継続的な改善を行うために分析は必要不可欠。だからこそ分析内容の質も重要視しました」(戸所様)
プロジェクトの進行中には壁もありました。コンテンツ数が想定以上に膨れ上がり、キリンホールディングス様社内の原稿執筆作業や確認作業が増え、スケジュールを圧迫するという危機も。それでも当初の予定通り、2021年6月にリニューアルを完了することができました。その要因について、戸所様は「コニカミノルタジャパンの担当者が、作業が遅れている部署に直接働きかけてくれたり、進行の遅れを取り戻すためにコニカミノルタジャパン側の制作体制を調整してくれたおかげだと考えています。コロナ禍のためやり取りはすべてオンラインでしたが、そのことを感じさせない柔軟かつ丁寧な対応で本当に助かりました」と振り返ります。
梅原様からも「要件定義のフェーズにおける社内の議論にも参加してもらい、各部門の様々な意見を集約し、提案内容につなげてくれたのは事務局としてありがたかったです」とコニカミノルタジャパンの対応力について評価するコメントをいただきました。
さて、すでに海外の評価機関からも高い評価を得ているリニューアル後のWebサイトの印象について、梅原様と戸所様にたずねると、次のような答えが返ってきました。
「当社がめざす姿をしっかり表現したサイトになりました。企業理念を伝えようにも、文章だけでユーザーの頭の中でイメージを膨らませることは困難です。それをTOPページでうまく表現できたのがポイントだと考えています」(梅原様)
「制作に社内すべての部署が関わったことで、キリンホールディングスとしてやるべきこと、そして世界の先進CSV企業をめざす姿を表現することができました。またメッセージを適切に伝えるために足りていないビジュアル要素があることなど、コンテンツや運用面の潜在的な課題が明らかになったのもプロジェクトの成果の1つ。いずれにせよ、現在、私たちが掲げている『世界のCSV先進企業をめざす』という思いが反映されたWebサイトになったと思います」(戸所様)
以前のサイトに比べ若いユーザーの閲覧数が増えたり、社内から「新しいサイトを見て、入社の際に共感した企業としての思いを改めて認識できました」という声が上がるなど、社内外の評価も上々のようです。
今後の展開
未来を先取りする次世代型企業情報サイト
今後も、CSVに関するコンテンツについて継続的な改善をしていく考えだと梅原様。そのために定量的なサイト分析を行い、リニューアル前後の効果を比較する必要がありますが、コニカミノルタジャパンが引き続きご支援する予定です。早速リューアル直後から、今後につなげるため、プロジェクトの反省点などを整理する振り返りのミーティングなどを実施。そこで洗い出した改善点は、今後のロードマップ作成に活かしています。
さて、これからの企業情報サイトは、どのようなものであるべきなのでしょうか?この疑問について、梅原様は次のように答えてくれました。
「これまで以上に企業と社会の関わり方が問われる中で、非財務情報でも開示に即時性が求められるようになるでしょう。社会の要請に応えるため、リアルタイムなコミュニケーションを実現することは、企業にとっては抗えない流れだと思います。それ故、これまで年1回発行してきた統合報告書を、企業情報サイトに一体化した意味は大きいと思います。私たちの考えや取り組みの内容が、随時発信できるようになったからです。そして、そのようなサイトを作れたのは、コニカミノルタジャパンの知見があったからだと考えています」
コニカミノルタ担当者の声
自社のCSVやサステナビリティの取り組みを活かして
非財務情報をはじめとする企業ビジョン・ストーリーを統合的に表現
キリングループ様を適切に正しく伝える取り組みとして、今回のプロジェクトはただウェブサイトのデザインを刷新するものではありませんでした。グループの傘となるホールディングスとして、グループビジョンやメッセージをロジカルかつストーリー的に体現すること。この重要なプロジェクトにコニカミノルタを信じて、ご一緒くださったことに感謝しています。次のステップとなる、日々変わり続ける企業の“今とこれから”を発信し続ける取り組みに、引き続きお力添えできればと思います。
マーケティングサービス事業部 MS営業部
磯野 華菜子
今回のプロジェクトでは提案から公開までを担当し、プロジェクトメンバーと共に多くのことを学ばせていただきました。1年という歳月をかけてキリンホールディングスの皆様と信頼関係を築けたことは、またとない経験です。国内でも類を見ない「“世界のCSV先進企業”に相応しい企業Webサイト」は、梅原様、戸所様をはじめ、プロジェクトメンバーの協力なくしては、実現できませんでした。今後もキリンホールディングス様の企業情報サイト発展をご支援させていただきたいと考えております。
マーケティングサービス事業部 デジタルマーケティング開発統括部
第2開発部 デジタルビジネスグループ コンテンツチーム
高橋 利枝
コニカミノルタのWebサイトリニューアル 満足ポイント
- 企業サイトに対する深い知見を背景にした、最適解を導き出す課題解決力
- 定量的な分析によるロジカルな提案内容
- 丁寧かつ柔軟な対応力と、スケジュール調整力
お客様プロフィール
名称 | キリンホールディングス株式会社 |
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住所 | 東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス |
設立 | 1907年(明治40年)2月 |
事業内容 | グループの経営戦略策定及び経営管理 |
URL | https://www.kirinholdings.com/ |
キリンビールを中核とするキリングループの持株会社。グループ内で展開する事業は、キリンビール、キリンビバレッジをはじめとする“食”の領域だけでなく、協和キリンが手掛ける“医”の領域、協和発酵バイオなどの“ヘルスサイエンス”領域にわたる。「自然と人を見つめるものづくりで、『食と健康』の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献する」ことを標榜し、様々な取り組みを進めるCSV先進企業としても知られている。
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