株式会社ダスキン 法人営業本部 様
法人営業部門を改革し生産性を向上させる営業・マーケティング変革プロジェクト
目標設定(KGI/KPI)から運用フロー設計まで、成果につなげるサポート力
清掃サービスや衛生用品の提供などを展開する株式会社ダスキン様。そんな同社において、オフィスや店舗向けサービスの営業活動を行う法人営業本部では、2021 年2 月から営業生産性の向上などを目的とした、マーケティング改革を推進しています。コニカミノルタジャパンが支援を行ったこの取り組みについて、プロジェクトのご担当者にお話を伺いました。
取材にご協力いただいた方
株式会社ダスキン
事業横断グループ 法人営業本部
戦略マーケティング部 戦略企画室
小谷八郎太様
株式会社ダスキン
事業横断グループ 法人営業本部
営業推進部 首都圏第二法人営業室 室長
田中雅弘様
事例概要
課題
- 旧態依然とした営業業務構造で生産性が上がりにくい
- 営業活動が属人的で担当者によって成果にばらつき
- マーケティング機能を立ち上げようにもノウハウがない
解決策
- デジタルツールを導入・活用し、営業生産性を向上
- 分業モデルの導入とマーケティング機能の立ち上げ
- コニカミノルタのノウハウを活用したスピード感のあるプロジェクト進行を実現
導入の背景
法人営業部門が抱える様々な課題がコロナ禍で表面化
「当社の法人営業部門は、もともと対面を中心としたアナログな手法で業務を行っており、生産性が向上しにくい環境であったことが以前からの課題でした。そこで営業とマーケティング機能の分離や、DX 推進により生産性を向上させたいと考えていました。しかし、これまでなかなか取り組みを進めることができずにおりましたが、コロナ禍で状況は一変しました。対面チャネル以外の方法がなかったため営業活動が立ち行かなくなってしまったのです。何しろ、オンラインミーティングツールを使ったような経験も社内文化もありませんでしたから―。ある意味、否応なしに取り組まざるを得なくなったということです」
現在、社内で推進している営業・マーケティング活動の変革プロジェクトを始めたきっかけについて、こう語るのは株式会社ダスキン 事業横断グループ 法人営業本部 戦略マーケティング部 戦略企画室の小谷八郎太様。この取り組みのプロジェクトマネージャーを務める人物です。
プロジェクトのスタートにあたっては、コニカミノルタジャパンの「マーケティング自走支援サービス」を活用。プロジェクトのスタートから約4 月間にわたり、それまで行っていなかったデジタルマーケティングやインサイドセールス(内勤営業)を実施する土台づくりに取り組み、「生産性が上がり難い業務構造」や「属人的でばらつきがある営業活動体制」などの見直しを行ってきました。
コニカミノルタジャパンをパートナーに選んだ理由は何だったのでしょうか。小谷様は「当社と同じような昔ながらの営業組織からの変革を、コニカミノルタジャパン様自身が実現していたからです。それゆえ、単にデジタルツールの導入支援だけでなく、現場で起こりがちな課題の具体例とその解決策の提案など、現場に即した活用のためのサポートが受けられることを期待しました。その期待には、しっかり応えてくれたと思います」と振り返ります。
導入の効果
顧客像の可視化を目的にワークショップを開催 多岐にわたる効果あり
こちらのプロジェクトでは先述の通り、デジタルマーケティング機能とそれに紐づくインサイドセールス機能を立ち上げています。しかし、このような仕組みは、単に構築すればよいというわけではありません。きちんと機能させるには、成果につなげるためのグランドデザイン(全体構想)が必要不可欠。
そこでコニカミノルタジャパンは、グランドデザインを策定するために、6 つの施策を実施しました。順に列挙すると、「KGI / KPI 策定」「ターゲット設計」「カスタマージャーニーマップ策定」「コミュニケーションシナリオ設計」「ホットリードの定義」「運用フローの設計」となります。
上記の設計や策定に先駆け、まず行ったのがペルソナを作成するためのワークショップ。小谷様をはじめとするマーケティング部門の担当者や営業部門のマネージャー、管理部門の担当者がこのワークショップに参加しました。参加者の1 人である株式会社ダスキン 事業横断グループ 法人営業本部 営業推進部 首都圏第二法人営業室で室長を務める田中雅弘様は、この時のことを次のように振り返ります。
「ワークショップは3 回ほど行われましたが、直面している課題や特徴はお客様それぞれでした。そのため当初、営業部門のスタッフには『ペルソナなんて本当に必要なのか?』という懐疑心が正直あったと思います。しかしペルソナを作成する過程で、担当者ごとにイメージしている理想の顧客像を頭に思い浮かべた際に、多くの相違点があることに気付かされたのです。今回ペルソナを作成したことで、そのようなズレがあることを自覚でき、共通認識を持つためにペルソナを作成できたことは大きな収穫だったと考えています」
小谷様も「目指しているマーケティング活動の実現には、営業部門の理解は必要不可欠。マーケティング部門と営業部門が同じ方向を向いていなければ、その成果は限定的なものになってしまいます。だからこそ、議論を重ねる中で、今後何をしていくべきなのかという認識を、営業とマーケティングで合わせることができたのも成果の1つだった」と、ワークショップの効果について説明。ワークショップにはペルソナを作成するという目的以外に、様々な好影響を及ぼすことを実感しているようでした。
コニカミノルタの柔軟かつ丁寧な対応に好印象
ワークショップを経て作成したペルソナに対し、田中様は次のような印象を持ったといいます。
「(ペルソナは)我々が顧客像を提示すれば、最小公約数を出すがごとく、すんなり決まるものだと考えていました。しかし、実際はそうではなかったのです。先に話したような認識のズレもあれば、固定観念もあるため、そのチューニングが難しい。今回はコニカミノルタジャパンが取りまとめましたが、第三者的なフラットな視点が必要なことを思い知らされました。『ペルソナの作成』と言葉にするのは簡単ですが、コニカミノルタジャパンの深い知見がここにも生かされているのでしょう」
さて、作成したペルソナを元に「ターゲット設計」「カスタマージャーニーマップ策定」などが策定されましたが、その中でも小谷様が特に評価するのが「コミュニケーションシナリオ設計」です。具体的には、顧客行動ステージ別のタッチポイントに応じて適切なコミュニケーションをとるうえで、どんなコンテンツが必要かを明らかにしたもの。現在はこの設計を踏まえ「特に優先度が高い、導入事例を紹介するコンテンツの作成などを進めている最中」(小谷様)とのことです。
また、今回の自走支援サービスの成果物の1つ「運用フローの設計」では、マーケティング部門が見込客(リード)を獲得し、営業部門に案件を引き渡す仕組みをデザインしています。マーケティング部門の機能や役割はもちろん、デジタルツールの活用方法や新たに設置したインサイドセールス機能の役割など、細かいところまでコニカミノルタが支援して設計を行いました。小谷様は「設計してもらった運用フローは、ほぼそのまま使っています。このフローにもコニカミノルタジャパンのノウハウが詰まっているのは明らかですが、恐らくこれを自分たちでまとめるのは難しかったでしょう。なおデジタルツールは、我々が独自に導入したものを使っていますが、フローを設計する上で、その独自ツールの運用関連もしっかりフォローしてくれたのは心強かったです。また今回のプロジェクトは、こちらにまったく知見がない状態からのスタートでした。そのため提案やレクチャーの際に使う言葉1 つとっても、我々のレベルに合わせてくれたと思います。そのような細かい気配りもありがたかったですね」と、コニカミノルタジャパンの支援体制を評価します。
今後の展開
今はまだスタート地点 本格的な展開はこれから
小谷様いわく、構築したマーケティングの仕組みは「今後も進化させていく」考えとのこと。例えば、インサイドセールスのさらなる強化や、より高度な取り組みを実現するためにデジタルツールの追加なども検討されているようです。そして、「今回、デジタルマーケティング機能とインサイドセールス機能が立ち上がり、それらを運用するフローができました。これでやっとスタート地点に立てたというのが、率直な感想です。現在、Web サイトのリニューアルを計画しており、新たなコンテンツを公開していく予定ですが、その後も、設計してもらったグランドデザインに従って取り組みを進めながら、成果を出したいと考えています」と抱負を語ります。
取り組みの成果が出るのは、これから。一方で、すでに「商談がストップした案件はインサイドセールスに戻すなど、新たなフローは営業部門内にかなり定着している」(田中様)との話もありました。具体的な効果が上がるのも、時間の問題といえるでしょう。
コニカミノルタ担当者の声
マーケティングの立ち上げを自社実践の経験・ノウハウをもとに支援
リード獲得から案件引き渡しのフローを可視化
法人営業を変えていくんだ!マーケティングを立ち上げていくんだ!という強い熱意からスタートしたプロジェクトでした。プロジェクトでもっとも注力したポイントは、関係者間の合意形成と共通認識・共通言語を作っていくことでした。営業を巻き込みながら作成したグランドデザインは、関係者にとって納得感のあるものにできたと思っています。コニカミノルタが実践し失敗してきた経験を信じて、任せてくださったことに感謝しています。始まったばかりの大きな変革を、今後もサポートさせていただきます。
マーケティングサービス事業部
プリセールス
富家 翔平
営業、マーケティング部門の担当者に部門を跨いでご参加いただきました。現状課題の把握やペルソナ・カスタマージャーニーを描くワークショップで顧客像を明確化し、KGI・KPI 設定や実施すべきマーケ施策の検討を行いました。プロジェクトを通して、コンテンツマップを作成して優先順位をつけ、ダスキン様でやるべき事を段階的に整理することができました。次のステージとして、設計したマーケ活動の計画を本格稼働させていくことが最重要となりますが、引き続きお力添えができればと思います。
マーケティングサービス事業部 データ&マーケティング推進部
マーケティングプロデュースグループ
谷 味甫子
コニカミノルタのBtoBマーケティング支援サービス 満足ポイント
- 自社実践による知見を土台とする現実に即した提案内容と課題解決力
- 支援内容を顧客企業の個別の事情にフィットさせる柔軟な対応力
- 目標達成に向けてお客様と並走する支援体制
お客様プロフィール
名称 | 株式会社ダスキン 法人営業本部 |
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住所 | 東京都新宿区西新宿2丁目6-1 新宿住友ビル23階 |
事業内容 | クリーンサービス事業、フードサービス事業 |
URL | https://biz.duskin.jp/business/ |
株式会社ダスキンは、日本において、フランチャイズシステムをいち早く取り入れ、常にフランチャイズビジネスの可能性を追求してきた企業として知られる。現在では、創業時から手掛ける環境衛生のみならず、フードサービスなど、幅広い領域で事業を展開。定期訪問レンタルサービスから高度なプロの技術サービス、店舗販売によるフードサービスまで、様々な業態でフランチャイズビジネスを行っている。その中で、法人営業本部では長年培ってきたノウハウと豊富な商品・サービス、多彩な事業を組み合わせた総合提案で、法人企業様の課題に対しワンストップでの解決を提案している。
ダスキン様の事例はPDF版でもダウンロードいただけます。
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