タイヤのグローバルシェアNo.1の座を10年以上守り続けるブリヂストン様。栃木県にある那須工場様は、乗用車用のタイヤだけでなくモーターサイクル用タイヤ、農耕器具用のタイヤなどを幅広く生産しています。
「2003年、栃木県のもう一つの工場、栃木工場に火災があり、それ以来自分たちの工場は自分たちで守ろうという意識が強くなりました」とおっしゃるのは秋山隆博様。「現在は“安全はすべてに優先する”という考えをベースに、現場をモニタリング巡回して、危険はないか、防災上問題はないかと頻繁にチェックしています」とおっしゃるのは長崎 篤様。安全確認をはじめ、現場の業務改善、品質トラブルの防止、そして社員教育のために、10年ほど前から工場内にモニタリングカメラを導入し、活用されています。

工場の生産工程に100台を超えるモニタリングカメラが設置されていました。「これまでのカメラで一番の課題は、故障が多いということでした」（秋山様）。タイヤを造る過程で粉塵やガスなどが出る環境で使われるため、カメラがよく壊れるという問題がありました。「平均して1年に1度くらい壊れます。10台に1台は交換していたのではないでしょうか」（秋山様）。
「そのためストックが必要になるのです。常時10台くらいは倉庫に置いていました」（長崎様）。交換・修理の度にコストがかかり、その度の設置作業も大変でした。カメラの課題は故障だけではありません。「画像もあまり鮮明ではないのに加えて、モニタリングできる範囲も広くありませんでした」（長崎様）。カメラの画角が狭いため、モニタリングのためには多くの台数が必要でした。また、「メーカーのサポート自体も満足できるとは言えませんでした」（秋山様）。メーカーの保証期間が短く、そのため、ストックしているうちに保証期間が切れてしまうこともありました。

もともと那須工場様は、コニカミノルタの複合機を導入されていました。ある日、コニカミノルタの担当者に現状のモニタリングカメラの課題について相談すると、紹介されたのがIPネットワークカメラシステム「MOBOTIX」でした。「コニカミノルタさんは複合機の会社だと思っていたので、モニタリングカメラを販売していることはまったく知りませんでしたね」（秋山様）。
話を聞いてみると、堅牢性も十分で防塵性能も高いことがわかりました。「何よりもワイドな視界が魅力でした」（秋山様）。視野が広く、360° 周りが見えるため、「これまでは、生産工程のマシンが大きいので、1台すべてを見るためにはカメラが2台必要でした。それが『MOBOTIX』なら1 台で済む。これが大きかったですね」（秋山様）。検討の末、導入が決定。「まだ導入してそれほど期間は経っていませんが、今のところ1台も故障していません」（秋山様）とのこと。

コニカミノルタの対応やサポートについてもお伺いしました。「マグネット仕様で納品していただいたこと、何度も設定のやり直しをお願いしたことなど、コニカミノルタさんには、いろいろとワガママを聞いてもらっています」（長崎様）。
「モニター画面上に漢字の文字表示を入れる対応をしていただきました」（秋山様）。通常「MOBOTIX」のモニター画面上には、英語や数字など1 バイト文字しか入りません。「工場内はどこも似たような機械があるので、どこをモニタリングしているのかがわからなくなります。そこにムリを言って、“ 成型”と漢字を入れてもらうことで、どの工程なのかひと目でわかりやすくなりました」（秋山様）。
「相談や問い合わせにも、スピーディーに的確に応えてくれます。保証期間も前機種より長くて、センドバック契約なので、ストックを持たなくても良くなりました」（長崎様）。サポート・保守体制についても高い評価をいただきました。

これから成型工程の「MOBOTIX」の設置数を増やし、この夏にはMC 成型工程にも取り付けていく予定。那須工場様のタイヤ成型工程だけでなく、この便利さを他の工程へ、他工場へと広げていきたいとのこと。
また、「工場の外からもモニター画面を見たいという希望もあるので、今後はそういう使い方も検討してみようと思います」 （秋山様）。監督者の方は、出勤していない時も、工場内の稼働状況が気になることが多いそうです。「MOBOTIX」ならリモートでスマホやタブレットで見ることも可能。「今後の使い方で、テレワークなどの働き方改革にも結び付けることもできると思いますね」（秋山様）。今回は「MOBOTIX」の導入で、現場のモニタリング環境が大きく変わりつつあるブリヂストン 那須工場様を取材しました。